戦術用語辞典

【サッカー戦術用語辞典】ピン留めとは?【前編:定義と目的】

投稿日:2020-10-30 更新日:


サッカーにおいて、良いポジショニングとは何だろうか?

多くの場合、それはフリーでボールを受けられる位置にいることかもしれない。だが、22人の選手が複雑に入り乱れて状況が目まぐるしく変化し、1つの解ではすべての場面を打開することが極めて難しいサッカーというゲームにおいて、必ずしも
良いポジショニング=フリーでボールを受けられる位置ではない。

時には、ボールを受けられなくとも相手の選手を引き付けることがより良い状況につながることもある。


今回は、オフ・ザ・ボールの場面で相手のマークを誘発させる「ピン留め」と呼ばれる現象について解釈し、後編でその用例を紹介していきたい。


ピン留めとは?



ピン留めの定義を設定するにあたり、サッカーブログの王と言っても過言ではないらいかーるとさんの言葉を引用したい。


ピン留めとは守備の基準点を準備することによって、他の選手(ライン間で活動する選手)への対応を許さないもの。

【サンフレッチェ広島が証明したこと】サンフレッチェ広島対リーベル・プレート


ここで使われている「守備の基準点」とは、マークするべき選手のこと。


サッカーは、ボールを相手のゴールに入れることを目標としているので、当然ながらその過程でボールを受けるために相手選手のマークを振り切る必要がある。だが、あえて移動せずにマーク”される”ことがピン留めだと言える。
相手選手の基準点となった自分が動かないということは、マークをしている相手もピンで留められたように動けない。


ちなみにピン留めの語源は英語の”pin”で、動詞としての意味は「ピンで留める」。

海外のサッカー分析サイトでは”pinning”とか”pinning-back”のような形で使用されている。

”ピン留め”と日本語で表現したのは、もしくは訳したのは、おそらくらいかーるとさんが初めてではないだろうか。


余談だが、WindowsのPCでは、タスクバーにるアプリやショートカットのロゴを右クリックすると「ピン留め」という単語が普通に出てくるので馴染み深く、この表現は非常に好みである。




ピン留めの目的は?

ピン留めをすることによって恩恵を受けるのは主にその周りの選手だ。A選手がマークされることによって、近くにいるB選手をフリーにすることがピン留めの基本的な目的と言える。




ちなみに、らいかーるとさんは名著「アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます」にて、ピン留めの目的をこう語っている。

準備された選手を相手が狙い通りにマークすることで、別の選手が時間とスペースを得ることが、ピンどめ作戦の目的となります。

アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます


では、どのように相手をピン留めしてこの目的を達成すれば良いのだろうか。後編では、試合で実際に見られたその使い方を紹介していく。





参考文献

「【サンフレッチェ広島が証明したこと】サンフレッチェ広島対リーベル・プレート」


・「アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます」

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