戦術的考察

積極的で支配的で攻撃的で魅力的なサッカーについて

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最近、「ウチは攻守にアグレッシブなサッカーを目指します」とか、「攻撃的なサッカーを展開したい」といった監督の発言をよく聞く気がする。グアルディオラの影響なのか、クロップの影響なのか、RBグループの影響なのかは分からない。でも、確かにそういうスタンスのチームは増えた気がする。

反対に、「ウチは消極的なサッカーを目指します」とか、「守備的なサッカーを展開したい」といった発言は聞いたことがない。そりゃそうだ。そんなサッカーを面白いと思う人は少ないだろうし、見に行こうと思う人が減ってしまうだろう。たぶん。

いや、でもサッカーにおいて「積極的」とか「消極的」とか「攻撃的」とか「守備的」って明確に定義できるのだろうか。結局のところ、その人の主観によってバラバラなんじゃないだろうかーー。

まあ、その疑問は一旦横に置くとして。

とりあえず、ここ2、3年で「アグレッシブで攻撃的なサッカーを目指す」というニュアンスの発言をされた方のコメント・インタビューを下にまとめる。記事のタイトルだけでも見てほしい。

「私が目指すサッカーは、攻撃はアグレッシブに、そして守備においても激しく闘うスタイルです」リカルド ロドリゲス監督が新監督に就任

超攻撃的な“モッタ・PSG”の誕生はあるのか 古巣復帰説について何を思う

福島ユナイテッドFC、「アグレッシブなサッカーを」

V長崎・吉田監督 「攻守にアグレッシブなサッカーを」 昨季の戦術ベース

【千葉】J1昇格へ『攻撃的な守備』にも着手。尹晶煥監督「開幕でうまいくいくように準備している」

さて、これらの記事で言われている積極的なサッカーや攻撃的なサッカーとは何だろうか。

おそらく、ボール支配率を高めて丁寧にビルドアップをし、奪われたら即時奪回を実行、守備ではラインを高く設定してハイプレスをかけていくようなサッカーを指すことが多いと思う。
実際、そういう風に明言している方もいる。


そんな中、サッカーダイジェストWebに掲載されているインタビューにて、Y.S.C.C.横浜のシュタルフ悠紀監督が興味深い発言をしていた。以下、この記事からシュタルフ悠紀監督の発言を引用する。



「アグレッシブに試合を支配したい」Y.S.C.C.横浜の36歳・シュタルフ悠紀監督が語る“3年目の挑戦”【インタビュー/前編】 | サッカーダイジェストWebwww.soccerdigestweb.com

まずは守備について。

(前略)攻守においてアグレッシブに試合を支配すること。守備では、自分たちが守備のラインを決めること。自分たちがハイプレスをかけたい時間帯はそれが実行できるように、また引いて守りたい時間帯は意図的に相手の流れを断ち切りながら全体を整えられるように。必ずしも前からボールを奪いに行くことが支配的な守備だとは定義していません。

なるほど。次は攻撃について。

(前略)ポゼッションも同じです。自分たちが後ろからつなげたいときは意図してビルドアップしたいですし、ロングボールを使いたいときは意図して前線の状況に応じてプレーすることを支配的だと僕は考えているので、そういう部分を上積みしていきました。

アグレッシブなサッカーで試合の支配を目指す、というスタンスの発言は他の監督と同じ。しかし、支配的なサッカーの中身や定義については、他の方の発言とは切り込み方が少し違うのではないだろうか。

特に面白かったのが、

自分たちのゲームプランを相手に押し付けることを、
支配だと定義づけしています。

という言葉。おもしろい。


例えば、ゴール前で[5-4-1]で引いて守るチームを見ると、「支配されている」とか「消極的」とレッテルを貼る人が多いかもしれない。だが、シチュエーションによっては、この戦い方は「積極的に引いて守っている」と言うもできる。

いやそれ言い方を変えただけやん!となるかもしれないが、
・相手に押し込まれてドン引きサッカーを強いられている状況
・ラスト30mの崩しが苦手な相手にドン引き戦術で対抗して、相手がやりたくないことをさせてる状況

この2つの状況を比較すると、全く違うだろう。


つまり、無理やり言語化すると
「”自分たちがやりたいことの割合”が、”相手がやりたいことの割合”を上回っている状況」
が試合を支配している状況と言えるかもしれない。

前述した通り、何が積極的で支配的で攻撃的で魅力的なサッカーか、というのは結局主観による判断だから定義はできない。と思っていた。
でも、このシュタルフ悠紀監督の発言によって少し変わった気がする。というお話でした。

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